ツカノマル

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なんだか非効率だなと感じたら「エッセンシャル思考」を試してみよう

シリコンバレーコンサルティング会社CEO グレッグ・マキューン著の「エッセンシャル思考」では、最小の時間で最大の成果を出すために必要な考え方として、まさにエッセンシャル思考が提唱されています。

勘違いしてはいけないのが、これはより多くのタスクをこなす方法ではなく、やり方を変えることでより少なくしかしより良く物事を遂行するための思考法だと紹介されています。

つまり、何でもかんでも引き受けるのではなく、日々多くの取捨選択を行うことが重要だということです。

目次

自分自身の選択をとり戻す

・他人からのお願いを断れずにすべて引き受ける

・あれもこれもやろうと予定をパンパンに詰める

私たちは、ついこんな状態に陥りがちです。その結果なにもかもが中途半端になったり、思った通りの成果が出ず無駄なエネルギーと時間を費やしてしまった心当たりはないでしょうか。

それはただ、自分の周りに起きていることに対して、無条件に反応しているだけかもしれません。

本書では、「何もかもやろうとしているのは、自分では何一つ選べないから、すべてを引き受けているだけなのだ」と書かれています。

「選ぶというのは、難しいものだ。何かを選べば、必然的に何かを捨てることになる。手に入ったかもしれない何かをあきらめるということだ。」(p.56)

しかし、そんな状況下で自分の力で選んでこそエッセンシャル思考が可能になるのだと。

そこで、エッセンシャル思考を理解するうえで役に立ちそうだと思ったポイントを紹介します。

エッセンシャル思考

余剰を削り、本質を取り出す

自分の行動を取捨選択するには、本質的に何が重要なのか見極める必要があります。

そこで、不要なものを手放し、重要なものを取り出すための「編集の4原則」が示されています。

・削除する

・凝縮する

・修正する

・抑制する

削除する

「かなり魅力的な選択肢だとしても、混乱のもとになるものはすべて取り除いたほうがいい。」(p.198)

選択肢や手段は多いほうが安心だと考えてしまいますが、もしそれによって、当初の目的が曖昧になってしまうなら、それはあえて切り捨てたほうがいいのだそうです。

凝縮する

「凝縮の目的は一度に多くをやることではない。無駄を減らすことだ。より少ない言葉でアイデアを伝える。より少ないスペースで快適な生活を実現する。より少ない努力で大きな成果を出す。」(p.200)

やればやっただけ成果が出ると錯覚しがちですが、逆にどれだけ無駄を省くことができるのかを突き詰めれば、おのずと重要な行動が見えてくるかもしれません。

修正する

いざ目標に向かって歩みだしたとき、この「修正」というのも大切な考え方です。

「自分の本質的な目標を明確にしていれば、それに合わせて行動を修正できる。自分の行動はきちんと本質目標に向かっているだろうか、と振り返ってみてほしい。もし間違った方向に進んでいたら、正しく編集し直せばいい。」(p.201)

抑制する

削除」「凝縮」「修正」に取り組みながらも、ときには立ち止まって全体をみわたす必要があります。それが「抑制」つまり、あえて行動しすぎないことです。

「非エッセンシャル思考の人は、やたらと何にでも手を出して、いざとなったら編集しようと考える。だが、編集のタイミングが遅れると、どうしようもなくなって不本意な削除を選ぶことになるかもしれない。」(p.202)

せっかく覚悟を決めても方向性が間違ったまま進んでいては、本末転倒です。

こまめな振り返りを習慣化することが最大の成果を出すためにはとても重要だということです。

小さな一歩を積み重ねる

目標を決めたのに、やる気が出ない。そして行動に移せないまま三日坊主に陥る。そんな感じで挫折することが癖になってしまってはとてももったいないです。

ゴールに向かって確実に行動に移すためには以下の2つのポイントを意識するとよいでしょう。

・最小限の進歩を重ねる

・「早く小さく」始める

最小限の進歩を重ねる

モチベーションを保つためには、小さくても「前に進んでいる」という感覚をもつことが重要。

完璧を目指すのではなく、その過程に小さなゴールをいくつも作ることで、まずは目の前の最小限の進歩を達成し、それを評価する。

これで、満足感を得ながらも、また次の一歩が踏み出しやすくなります。

「早く小さく」始める

「重要な目標や締切に向かうとき、2つのアプローチが考えられる。早く小さく始めるか、遅く大きく始めるかだ。」(p.251,252)

締切間際になって慌てて本気を出したり、徹夜してギリギリ間に合わせるなんてことが続けば、精神的にも身体的にも大きな負担がかかってしまいます。

もちろん早めにスタートしたからといって、すぐに万全の状態にする必要はありません。

ただ、前もって最小限の準備をしておくことでその後スムーズに行動を実行することができるんだそう。

 

本書には、「エッセンシャル思考」を身につけるうえで必要な考え方が様々な視点から示されています。「本質は何か?」この考えを常に自分の中に持ちながら、行動することを心がけたいですね。