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浅煎りと深煎りの違いとは?カフェインの量も変わる?「コーヒー豆の基礎知識」焙煎度について。

最近では、コンビニでも淹れたての本格的なコーヒーを飲むことができます。お店によって、さらには日によっても、風味に違いが存在するのがコーヒーの面白いところ。皆さんにも好みのコーヒーの味やこだわりはあるでしょうか。

よく耳にするのが「浅煎り」「中煎り」「深煎り」というワード。

・「スッキリしたものが好みだから浅煎りの豆をいつも買う」
・「深煎りコーヒーの苦みとコクが一番だ!」

コーヒーの話になると必ずと言っていいほど出てくる言葉です。今回はこれらの違いを詳しく説明していきますので、ぜひ自身の好みと照らし合わせながら読んでみてください!

違いは焙煎する時間

「浅・中・深」というのは、生の豆に火を通す(焙煎)時間の長さで決まります。

焙煎時間が短いのが「浅煎り」、そこからどんどん焙煎時間を長くしていくと「深煎り」に近づきます。

「中煎り」とは浅煎りと深煎りの間の焙煎度合いのものを言います。

この焙煎によってコーヒーらしい香りや苦み、酸味を引き出すことができます。

そして、同じ豆でも焙煎の仕方によって味わいは変化します。

以下より、「浅煎り」「中煎り」「深煎り」について、それぞれ解説していきたいと思います。

浅煎り

焙煎時間が短く、色は薄茶色っぽいのが特徴です。

また、豆の中の水分が蒸発しきらずに残っているので、一粒一粒の豆の重さは中煎り、深煎りよりも重たいです。

苦みは控えめで酸味が強くでるので、スッキリとした味わいを楽しむことができます。

爽やかでフルーティな味が好みの人には「浅煎り」がおすすめ。

中煎り

お店などで一般的によく出されるのがこの「中煎り」です。
コーヒー豆は、焙煎時間が長くなるほどよく膨らみ、そこにできた隙間から油分がにじみ出てきます。

中煎り豆では、深煎りほどではありませんが、油分によってややしっとりとした見た目になります。

色は浅煎り豆に比べて濃く、明るい茶色なのが特徴です。

酸味、苦味ともに抑えめでとても飲みやすいです。

さらに、コーヒーの甘味成分である「フラノン類」が最も多く、チョコレートのような風味を感じることができます。

バランスが良く、さまざまなシチュエーションでコーヒーを楽しみたい人には、「中煎り」がおすすめです。

深煎り

中煎りの状態からさらに焙煎を続けると「深煎り」豆の出来上がりです。

ここまで来ると油分が十分表面に出てくるので、とてもツヤツヤしていて、色は茶褐色や黒褐色になります。

そして、豆の中の水分量も減って浅・中煎りの豆に比べて少し軽くなります。

深煎りでは酸味はほとんど感じることがなく、コーヒーらしい苦味をしっかりと味わうことができるので、深いコクや後味を楽しみたい人には「深煎り」がおすすめです。

また、深煎りのコーヒーはミルクとの相性もバッチリなので、カフェオレやカフェラテにも適しています。

焙煎度合い

ここまで紹介した「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の違いは焙煎の度合いです。

さらに、細かく分類すると、焙煎は以下の8段階あります。

焙煎の長さによって8段階に分類される
・ライトロースト (Light Roast)
・シナモンロースト (Cinnamon Roast)
・ミディアムロースト (Medium Roast)
・ハイロースト (High Roast)
・シティロースト (City Roast)
・フルシティロースト (Fullcity Roast)
・フレンチロースト (French Roast)
・イタリアンロースト (Italian Roast)

ほんのり表面に焦げ目がついたばかりのライトローストシナモンローストは焙煎時間が短いため、酸味がとても強く、生のコーヒー豆の青臭さが残っており、一般的に飲まれることは少ないです。

そして、ミディアムローストまで焙煎した豆は、酸味とまろやかさのバランスがちょうど良くなり、よく耳にする「アメリカンコーヒー」では、このミディアムローストがよく用いられています。

ハイローストシティローストフルシティローストと順に、酸味が弱まって苦味が強くなります。どれも、バランスの良い味わいで、香ばしい香りが出てきます。

フレンチローストまでくると、酸味がほとんどなくなります。強い苦味とコクが際立ってくるので、「エスプレッソ」や「アイスコーヒー」向きです。

イタリアンローストは最も焙煎が深く、濃厚な苦味が味わえます。豆の色もほとんど黒色で油分によって表面がテカテカとしています。

カフェインの含有量の違い

コーヒーといえば、カフェインを摂取する目的で取り入れる人も多くいるのではないでしょうか。

実は、カフェインの含有量も焙煎の仕方によって異なり、意外にも「浅煎り」のほうが「深煎り」よりも多くのカフェインが含まれています。

「深煎り」のほうが色が濃いのでカフェインを多く含んでいそうですが、カフェインは熱に弱いので、深く焙煎するほど含有量は減っていくのです。

同様に、コーヒーに含まれるポリフェノールも、焙煎時間の短い「浅煎り」のほうが多く存在します。

焙煎度に明確な基準はない?

焙煎の長さによって、コーヒ豆の見た目から味まで様々な変化があります。

しかし、「浅煎り」「中煎り」「深煎り」というのは明確な基準があるわけではないので、もちろん販売するお店によって基準は異なります。

そんな、違いに意識を向けてみるのも、コーヒーを楽しむ一つの手段ではないかと思います。

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